あおむしの本棚

備忘録を兼ねた読書ブログです。小説・実用書・児童書・絵本など

児童向け『吸血鬼ドラキュラ』

映画や小説、いろんな怖い話に出てくるモンスターとして馴染みのある吸血鬼ドラキュラやフランケンシュタインetc

それらが有名になった原作の小説って読んだことないんですよね…。

そんな名作ホラーを児童文学作家が再話したホラー・クリッパーというシリーズが出版されているので読んでみました。

感想としては、大体のストーリは掴めるかな〜といった感じ。

読みやすいようにきっといろいろ省略されているはずで、怖さや迫力といった点で大人には物足りなさを感じます。

けれどこの本を読んだことで、全訳本をぜひ読んでみなければ!という気持ちになりました。これだけドラキュラが世の中に浸透することになった原作のスリルを味わいたくなります。

あと、映画「ヴァン・ヘルシング」ってこの人がモデルだったのか〜と知りました^_^ 

 

小説『いつかみんなGを殺す』

タイトルがもう絶対に面白いやつ!と読みたくなった小説。

期待した以上に面白かったです。

東京の老舗高級ホテルの若き総支配人鹿野森優花。会長である祖父からホテルを引き継ぎ社長となるには、一年のうちで最も大きなイベント・ミッドナイトサマードリームを成功させることが絶対条件だった。しかし、そのイベント最終日である今日、アンチ優花を掲げる副支配人の勢力がホテルを混乱に陥れようと‘G’をばら撒いた。きらびやかな空間に消して居てはならない存在、Gを相手に支配人、シェフ、アルバイト、VIP客、ピアニスト、清掃員それぞれの思惑が錯綜するGエンターテインメント!

 

G退治という、なんともくだらない設定に全力投球なところが心掴まれました。ずっとニヤニヤしながら読んでましたが、最後の方では感動。

登場人物の名前もわかりやすくGからとったものもあるし、気になって検索しみたらやっぱりG由来か!というものや、殺虫剤から来てるものもあったりで楽しい。

手押さんとクリスタルさんの名前の由来はいまひとつよくわかりませんでした。

必殺技プリンセス・ドリルの手首90度回転は実際にやると考えると鳥肌ものですが、ストーリーが進むにつれ格好良く感じてきます。

あと、Gはソの音か!と結構遅く気づきました😅

映画化したらすごく楽しそう。本当にGがムリな人にとっては恐怖映画でしょうか

 

 

『給料の上げ方 日本人みんなで豊かになる』

デービッド・アトキンソン氏による経済の本。

6、7年前からこの方の本を割りと読んでいます。

感情や妄信で語るのではなく、データを用いて客観的にズバッとぶった斬るかのごとく?分析されていて、痛快・爽快な気分になります。

経済とか基本よくわかっていない私でも日本経済の惨状がよーく理解できます。

今回の本は、日本経済低迷の責任を財政政策、政府=他人のせいにしているだけじゃなくて、個人が考えて行動しなければ日本は変わらない。このままだとどんどん日本人貧しくなるよ、ということが述べられていました。

 

なにかあると責任追及する様子ばかり報道されてるなあ…これが国民性ってやつか、と非常に耳い指摘でした。

現状維持じゃなく、新しいことを少しずつ積み重ねていく姿勢、忘れないようにしたいです。

 

6月におすすめの絵本

今週のどこかだろうとは思っていたけれど、まさかの今日が梅雨入り。

雨の季節らしい素敵な絵本を見つけました。

絵のタッチがとても好きです。

絵本は子どもが最初に出会う芸術と言われます。デフォルメされたイラストもかわいいですが、こういう繊細で美しい絵の良さにも出会ってほしい!と感じた絵本でした。

作者はお二人とも生物画家。

たくさん生まれて、生き残ったオタマジャクシがカエルになり、生を力いっぱい楽しむ姿がいきいきと描かれています。

「3匹のあまがえる」シリーズの3作目。

擬人化絵本ですが物語化されすぎていなくて、オタマジャクシを襲う生きものと捕食シーンもあり、自然がそのまま描かれていている印象が強く残りました。

 

そしてもう一冊。

6月10日が時の記念日ということで、時間に関する絵本。

文字数も少なくてさらっと読み終えてしまいます。

けれど眠たいときに言うあと5分!と待ちくたびれているときの5分、楽しいときの5分、状況によって感じ方ってかなり変わるよね〜!と考えて読むとなかなか深い絵本です。

どちらも読み語りに良さそう。

 

読了『マーロー殺人クラブ』

久しぶりに海外文学を読みました。

 

主人公はロンドン郊外の古びた邸宅で一人暮らしをしている77歳の女性ジュディス。

ある夜、テムズ川で泳いでいると隣人ステファンの家から言い争う声と発砲音が聞こえる。

通報したが警察は彼女の話を信じず、ジュディスは自ら調査に乗り出すことに。

そして訪れたステファンの家で彼の死体を発見する。それは田舎町での連続殺人のはじまりだった。

事件を追う中で知り合った司祭の妻ベックスと犬の散歩代行者スージーが仲間に加わり、3人のおばちゃん探偵団が連続殺人事件の謎を解く!

 

どうにも海外文学は読み終わるのに時間がかかったり、最後まで読み切れなかったりします。嫌いではないけれど、苦手意識があるのかあまり手が伸びません。

『マーロー殺人クラブ』はロンドン郊外の田舎町マーローを舞台にしたコージー・ミステリー。日常ミステリーというより、殺人事件でありながら田舎ののんびりした雰囲気も伝わってくる作品でした。

確か『シャーロック伯父さん』という海外ミステリも同じような雰囲気だったような気がします。マーロー殺人クラブが女性チームなのに対し、こちらは男性チーム。

シャーロック伯父さんのほうは短編がいくつか収録された形式で読みやすかったです。

雰囲気を覚えているだけで内容は全覚えていませんが……しかも最後の編は図書館の返却期限が来て読んでいないという……。

 

 

はちみつ梅酒作り

梅の季節です😃

梅酒をつくりました〜。ホワイトリカーとブランデーの2種類。

わが家は昔、市場に出していたので梅の木が何本かあって梅干しも梅酒も自家製。

ただ、氷砂糖で漬けた梅酒は酒飲みの家系の口には甘すぎて溜まる一方。

料理本を買ってみたけど、使いこなせず、知り合いに配って減らしていました😅

ところが、数年前から知り合いからニホンミツバチのはちみつを頂くようになり、はちみつで漬けてみたところ……。

くどくない甘さでとても美味しい!

二瓶作っても翌年の梅酒が飲めるようになる頃まで持ちません。数年寝かせた方がおいしくなるので、はちみつがあればもう一瓶漬けたいところですが、買ってまではお高くて流石にできない💦

昨年の梅酒はまだ少し残っているので飲まないでとっておくつもり…です。

 

 

 

 

民俗ファンタジー『鬼切の子1』

鬼滅の刃と呪術廻戦を混ぜたみたいな話、と聞いて読んでみました。

確かに鬼が出てくるし、呪術使ってやっつけてました(笑)

 

オオクワガタを捕まえるために入った夜の鎮守の森。

キイイインという音が大悟の耳に聞こえてくる。その音は2週間前から聞こえ始めたが大悟以外の人には聞こえておらず、一緒に鎮守の森にやってきた親友の類にも心配されるのが嫌で黙っている。

森の奥に進んでいくと、守りの大岩のしめ縄が落ち、大岩が割れていた。大悟は岩の向こうの赤い光に気づく。風にのって助けを呼ぶ声が聞こえてきた大悟は走り出そうとするが、しめ縄が足に絡まったため小刀で縄を切り、大岩を越えてしまった。

その直後鎮守の森は姿を消し、大悟は広々とした平野にたたずんでいた。類の姿も見えない。足音が近づいてきて振り返ると三本に枝分かれしたツノの鬼がいて、カラダを乗っ取ろうとしてくる。そこへカラスの面を被った少年が助けに入る。しかし大悟の後を追ってきた類が鬼に体を乗っ取られてしまた!

肉体を得た鬼を魂だけの存在である烏面少年一人で倒すことはできない。名前を烏面の少年に渡すことで大悟の中に少年が入り、類を助けることができるというがーー。

関守の末裔である大悟が大岩から刀をとりだし、烏面の少年と共に異界から出て人々の心の闇に憑りついた鬼を倒す物語。

 

この手の漫画やらラノベやらをそれなりに読んできた大人からすると目新しさはないでしょうが、そこは小学校高学年を対象にした物語。説明が丁寧というか親切な感じで、鬼や妖怪の話が好きな子は楽しく読めそうです。

異界と人界の境界ということばや白羽の矢、牛頭馬頭とは何かというのもさらっと知れて、民俗学という学問に触れるきっかけになる本でした。